
SETC2026
SETC(Small Engine Technology Conference)2026は、自動車技術会(JSAE)とSAE Internationalが共催する国際会議であり、二輪車やスモールエンジン関連技術の分野における世界有数の学術・技術交流の場として高い評価を得ています。本会議は、二輪車、スクーター、小型四輪車、ATV、スノーモービル、マリンエンジン、発電機など多様なスモールエンジン製品に関する研究開発の最前線を網羅し、世界中の専門家、研究者、エンジニアが一堂に会します。
近年、環境規制の強化やカーボンニュートラルへの取り組みが進む中、小型エンジン技術においても電動化、ハイブリッド化、燃費改善、排出ガス削減、低騒音化などが大きなテーマとなっています。SETCでは、内燃機関の最新技術だけでなく、バッテリー、モーター、パワーエレクトロニクス、さらには水素や合成燃料といった次世代エネルギーソリューションまで幅広く取り上げられます。また、デジタル技術の活用による設計最適化やシミュレーション、耐久性・信頼性向上のための新しいアプローチも発表され、研究成果が実用化に直結する情報を得ることができます。
さらに、本会議では基調講演、パネルディスカッション、技術セッションが多数開催され、業界をリードする企業や大学研究者が登壇します。発表分野はパワートレイン、燃料システム、排気処理、材料工学、NVH、ライフサイクル評価など多岐にわたり、小型モビリティの持続可能な発展を支える知見が共有されます。特に二輪車産業の中心である日本開催のSETCは、アジア市場におけるトレンドを把握する上で大きな意義を持ち、欧米や新興国からの参加者にとっても貴重な交流の場となっています。
なお、本会議は英語のみで実施され、日本語翻訳は提供されません。グローバルな研究者や企業が集まるため、英語を共通言語として発表・議論が行われ、国際的な知識共有の場として機能しています。英語での情報発信に慣れていない参加者にとっては挑戦となる部分もありますが、それだけに最新の世界動向を直接把握できる貴重な機会といえます。
SETCは、単なる技術会議にとどまらず、産学官の枠を超えたグローバルネットワークを構築する舞台としても機能します。技術者や研究者にとってはキャリア形成の場であり、企業にとっては新しいパートナーシップや市場開拓の契機となります。気候変動対応と持続可能なモビリティの実現に向け、SETCは今後も小型エンジン技術の未来を切り拓く重要な国際会議として位置付けられています。